新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:34(完)
月日は巡り9月も終わりに近づいたある日、中隊隊舎の広場にずらりとNEO部隊用の装備品が並べられている
待機部隊の期間が終わり、次に上番する中隊へ装備品を申し送るのだ
「盾が200枚、パットは肘と膝用がセットで同じく200個…」「この盾、ひびが入ってるけど?」「訓練中に割っちゃったんだ。もう4科には報告してるよ」
4科の係陸曹立ち会いのもと、各中隊の補給陸曹が装備品の員数や状態を細かくチェックしている
「よし、警棒とゴーグルはOKだな。運んでくれ~」次に上番する中隊の隊員たちが箱やカゴに入った装備品を自分の中隊まで運び上げていく
「やっと一段落だな」「いや~待機っちゅうのも疲れるわ」「実動もありましたもんね」その様子を眺めるのは毎度おなじみの1中隊の面々だ
「でもお前ら大活躍だったじゃん、なぁ田浦?」と聞いてくるのは作業にきている他中隊の同期だ
「大活躍って大げさな…ただ飛行機で迎えにいって帰ってきただけだよ」と返す田浦2曹「つれないなぁ~ニュースにも出てたってのに」
そうは言っても当事者としてはそんな大仕事をしたという意識は無い「仕事だからな、やって当たり前ってヤツだ」
「なんやカッコつけとんな~」「そうですよね~コレが任務だったんですもんね」と横から井上3曹と赤城3曹が入ってきた
「でも田浦2曹の活躍ぶりは、ワタシがバッチリ見てましたからね」「活躍ぶりって…何を言ってるんだか」嬉しそうな赤城と呆れたような田浦
そんな二人の雰囲気が前とは少し違う(なんか進展でもあったんかいな?)と思う井上であった

「お疲れさ~ん」作業場所に顔を出したのは3小隊長の森口3尉だ
「あ、小隊長。お疲れさまで~す」「どう?申し送りは順調?これでやっと任務解除って感じだね」軽い調子で話しかけるその様子は以前と変わらないように見える
C国への出動で覚醒したかに見えた森口ではあるが、日本に帰ってきてからは以前とあまり変わらない気弱な初級幹部に戻ってしまったように見える
しかし「なに言ってんですか!小隊長も大活躍だったじゃないですか~」「そうそう、一番目立ってましたよ」と周りの隊員の小隊長を見る目が少し変わってきた
認められた…という実感が初級幹部を育てていくのだろう、最近では中隊長に怒られる回数も減ってきたようだ

「しかしこれでやっとのんびりできますね」田浦が森口に話しかけた「ホンマや、さぁ休みとってどっかに出かけるかなぁ?」と井上が話に入る
「何を言ってるんだ?10月には3X連隊の戦闘団検閲があるから、その支援でウチの中隊もフルに動くんだよ?井上3曹は確か仮設敵だったなぁ…」
「え、ホンマですか!?」「まいったなぁ…全然休めないじゃないか」「すこしはゆっくりしたいな~」
隊員たちの愚痴が、雲一つない青空に吸い込まれていった

~完~
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