新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:29
西に傾いた日に照らされながら、1番機がT基地の滑走路に着陸した
タイヤが甲高い音を立て、逆Gが乗員の体を前に押し出そうとする
着陸した輸送機はそのまま滑走路脇のエプロンに向かう。機内に響くエンジン音も若干低くなってきた
F空港で民間人を降ろして1個小隊しか乗っていない機内はガランとしている「やっと着いたな」と田浦2曹は隣りに座る赤城3曹に声をかけた
「いや、長かったですね~F空港は大騒ぎでしたね」民間人が降り立つところを捉えようと動き回る報道関係者と空港職員の間で怒声が飛ぶ中、荷物を全部降ろして足早にその場を去った1番機
「けっきょくカメラには写らなかったなぁ」「なんだ、映りたかったのか?」と尋ねる田浦
「い、いや…でもちょっとは映りたかったかな?やっぱりちょっとは活躍したところっていうか、仕事したところを家族に見せたいっていうか…」と顔を赤らめる赤城に田浦は笑って言った
「その時はオレが言ってやるよ『娘さんは大活躍でした』ってな」「あの、それって…」何か言いたそうな赤城だが、その言葉を遮るようにロードマスターの声が機内に響いた
「後部ハッチを開けます。そのまま外に出てください」「お、やっと降りられるな。準備しようか」「あ、はい…」と少し不満そうな赤城であった

徐々に開いていく後部ハッチ。目に入ったのは夕日に照らされるエプロンと、そこを埋め尽くすような隊員の群れだった
「おぉ…」「これは…」絶句する1小隊の面々、空自隊員の薄いグリーンの作業服の中にちらほらと迷彩服の隊員が見える。ここT基地で留守を預かっていた先任や補給陸曹、陸幕や師団のお偉いさん、そして…
「ご苦労さん!さぁ、そこの倉庫でみんな待ってるぞ」先に到着した2番機の面々と中隊長がそこにいた
歓声の中、控えめながらも手を振って歩く「なんか嬉しいですね」と赤城が笑って田浦に話しかけた「やっぱり陸と空の違いはあっても仲間なんだよな」と田浦も嬉しそうに笑った

倉庫に着いた小隊一同はそのまま編成を取り整列した。待っていた他小隊の面々も合流して整列。皆がそろったところで中隊長が前に立った
「ご苦労、諸君。君らの働きのおかげで、中隊は任務を果たして全員無事に帰還した」そこまで言って中隊長は皆の顔を見回した
「実際の攻撃にも動ずる事も無く、皆がそれぞれに与えられた任務を果たした成果だ。自慢していい、胸を張って駐屯地に帰るぞ」中隊や後ろで控える空自隊員の間から笑いが漏れる
そこまで言って中隊長は満足そうにうなずいた「現時刻を持って統幕行動命令第2号、邦人保護任務『御盾』作戦の状況を終了する。じ後の指揮は運幹が達せよ」
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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