新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:25
幌やフロントガラスが外されている代わりに、運転席や荷台を土嚢で補強されたジープが輸送機から飛び出してきた
乗っているのは特戦群の「曹長」と3人の部下だ
幌やフロントガラスが外されている代わりに、運転席や荷台を土嚢で補強されたジープが輸送機から飛び出してきた
乗っているのは特戦群の「曹長」と3人の部下だ

迷彩服や鉄帽は通常の部隊のモノと変わりないが、黒いフルフェイスのマスクを被った彼らの姿はやはり異様だ
エンジン音を響かせ、黒い煙を吐き出しながら小隊の横にジープが止まり、助手席から曹長が降りて森口3尉の元へ駆け寄ってきた
「小隊長、暴徒は我々が足止めします。あんたらは輸送機まで後退して出発準備を」「え、そ…ちょっと待ってください!」
この人たちは何をする気だ!慌てて森口は曹長の腕を掴んだ
「あなた方4人で何ができるっていうんですか!?我々もギリギリまで…」
「大人数だと逆に相手を警戒させることになる。俺たちは少数だから相手も油断する…そこをついて時間を稼ぐ。だから小隊長」
そこまで一気に言って曹長は小隊長をジッと見据えた「アンタは小隊の隊員を日本に連れて帰る義務がある。そっちは頼むぞ」
ポンと小隊長の肩を叩いて、曹長はジープに飛び乗った。と同時にジープがタイヤをきしませてゲート方向に走り出していった

「小隊長、言われた通りに…って、小隊長?」神野1曹が小隊長の顔を見ると、何やら目つきが変わっていた…というか目が据わっていた
「舐めやがって…オレの小隊を舐めんなよ!」「え…」神野が何か言おうとする前に、森口は分隊長に命令を下した
「小隊はじ後、輸送機の直接警護および特戦群要員の離脱支援を行う!1・2分隊は輸送機まで下がって直接警戒、3分隊はこの場に残って暴徒に対するけん制を実施!」一瞬の沈黙、各分隊長は一瞬だけ顔を見合わせる。そして…
「了解!」簡潔な言葉とともに、各分隊は命令通りに動き出した
慌てたのは神野だ「しょ…小隊長!曹長は…」「中隊長からの命令が下った訳じゃない。オレの判断でここに残る!」なにやらヤケクソになったような小隊長だが、次の一言で神野は考えを改めた
「ここでケツをまくって逃げたら日本の恥になる。違いますか?小隊陸曹」ハッキリと、しかも自信に満ちたその言葉に神野は言葉を失った
「小隊陸曹は1・2分隊の指揮を」その言葉には以前の気弱さは微塵も感じられない
(化けたな)内心少し嬉しくなる神野、そして大きくうなずくと小隊に顔を向けた「…了解、井上!小隊長に付け。オレは1・2分隊を指揮する」

1・2分隊と小隊陸曹が輸送機まで後退し、その場には10人ほどの隊員が残っていた
(小隊長…なんや変わった?)狙撃手として残った井上3曹は警戒態勢を維持しつつ隣りで立つ小隊長の顔を見上げた。双眼鏡で暴徒を油断無く監視するその姿にはどこにも以前の気弱さは見られない
しかし今はそんな事を考えている場合じゃない(さて、特戦群のお手並み拝見…といってみよか)視線を前に戻すと、100mほど先に柵を越えた暴徒が次々と入ってくるのが見えた
それほど殺気立ってはいないが、罵声をあげて近づく数名の若者とその周りに群がる同じような若者の集団がじわじわと近づいてくる。その前に特戦群のジープが立ちはだかった
後部座席に乗っていた2名が降り、ジープの影で何やら手元で準備をし始めた。暴徒がジープの姿を見て何やら奇声を上げ、棒や服を振り回しながら走ってこちらに向かってくる
助手席に乗っている曹長が軽く手を上げ、ジープの影にいた2人が手元から何か黒い物体を投げた

次の瞬間、閃光が走り爆音が鳴り響いた
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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