新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:24
RPGの攻撃、続いて3分隊に下された「実弾装填」の命令…
「分隊、実弾装填」分隊員に指示を下しつつ、分隊長の小野3曹は89式小銃の槓桿に手をかけた
滑り止めが刻まれた槓桿に指をかけると、革手袋の上からでもその感覚がわかる
妙に冷静な自分を感じつつスライドを開いて指を離した。子気味のいい音を立てて初弾が薬室に押し込まれた
「ただの鉄の棒」が「人を殺せる武器」に変わった瞬間だ
「装填よし!」分隊員の声が聞こえる「よし、銃口に注意。警戒方向は…」指示を出しつつ自分の分隊を見回した
陸士で多少緊張しているヤツはいるが、全員が油断無く周囲を警戒している
ほぼ内乱状態にある海外に派遣されてデモ隊と対峙して、RPGの攻撃を受けて実弾装填…という状況。だが自分を含めた分隊の連中の落ち着きぶりに、自分が一番驚いている
使命感や恐怖感といった感情より、今は高揚感が勝っている。今までの訓練の成果を出すときだ…だが一瞬だけ、別の考えが頭をよぎった
(帰ったら…誰か待っててくれる人がいればいいな…)
とそこまで考えて頭を振った(何を考えてるんだ、任務中に!集中しないと…)頭を切り替えて周りを見回すと、ちょうど小隊長がこちらに戻ってきた

「小隊陸曹、状況は?」戻ってきた森口3尉が真っ先に小隊陸曹・神野1曹の元に駆け寄った
「本隊は撤収準備をほぼ完了、一番機は5分後に離陸します。中隊長と一部はウチの機に乗って帰るとの事、こちらに向かっています」簡潔に情報だけを伝える神野
「あとデモ隊に何か動きが…」「再集結してるんです。無線機を」「何でそんな事が?」無線機のマイクを渡しつつ神野が尋ねた
「現地警察の大尉が言ってました。向こうも後10分は増員できないと…」答えつつマイクのボタンを押して中隊長に同じ内容を報告した
その間にも暴徒の動きは加速、RPGの攻撃前より多くの、しかも興奮状態の人間が集まってきている
何やら叫びつつ鉄製のゲートを揺らし押し倒そうとしている。何人かはフェンスによじ上り有刺鉄線に服や毛布などを被せている。そのまま空港内に入ろうとしているようだ
「…現地警察の行動は約10分後、暴徒の集結までに行動できるか不明…おくれ」報告を終えてボタンから手を離す。無線機のスピーカーが少しの間を置いて沈黙する
そして…『こちらアルファ、シエラ1を投入する』
その言葉と同時に、後方に控える輸送機から1台のジープが飛び出してきた
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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