新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:22
デモ隊の間に後方爆風が吹き上がり、何人かが吹き飛ばされた
発射された弾頭は空中で一瞬だけ動きを止める。そして2次噴進…羽を広げてまっすぐ目標に向かっていった
一瞬遅れて響く発射音に小隊が緊張する。小隊長が弾頭の行方を目で追った
弾頭は小隊の右横を大きく離れて飛翔、そして…接近していた現地警察のバンに命中した
轟音が響き車体が浮き上がる、なんとか横転はしなかったものの、命中した車体の後部が獣に食われたようにえぐれている
「井上!」「逃げました!」デモ隊の方に目を向けると、発射地点から暴徒がクモの子を散らすように逃げていった。後方爆風に巻き込まれたらしい何人かが倒れている
『こちらアルファ。各小隊、状況送れ』無線から抑揚のない中隊長の声が響く「こちらマルサン、RPGの攻撃、我に被害無し!」小隊長が無線で報告を入れた
攻撃を受けた車両は小隊から100m弱の位置で止まっている。射線を見る限り、RPGを撃った射手は自衛隊の輸送機や部隊に被害が及ばないよう狙ったようだ
とはいえ「敵」の正体が何かわからない限り油断はできない「小隊、前方を警戒!低い姿勢を取れ。3分隊は2分隊後方で待機」隊員たちが膝をつき、盾の中に体がすっぽり収まるような態勢になった
「…1、2分隊、暴徒鎮圧弾を装填。3分隊…実弾を装填」腹をくくったような小隊長の声「…」神野1曹も同意したようにうなずいた

『こちらシエラ2、敵の兆候なし』デモ隊はゲート前から姿を消し、遠巻きにこちらを伺っている「他にこっちを狙えるような場所はあるかな?」小隊長が双眼鏡を目に当てて空港フェンスの外を監視する
「あの建物の屋根とか危険ですね」神野が指をさした「井上、警戒しろ」「了解」井上3曹が視線を向けた
「RPGか…輸送機に当たったら大事だよな」そう呟き小隊長は攻撃を受けたバンを見た。アレが輸送機や我々に当たったら…と背筋が少し寒くなる
とその瞬間、バンのフロントガラス越しに人影が見えた。紺色の制服を着たその人影…運転手のようだが、突っ伏しているようでピクリとも動かない
「人がいる!」「え?」言われて神野も視線を向けた
「…操縦手かな?死んでるようには見えませんが…」「救援はまだ来ない?」「みたいですね」攻撃から数分経ったが、現地警察の隊員はまだ姿を見せていない
「向こうも混乱しているようですね」「早くしないとあの操縦手が…」
怪我をしているのか、それならば早く処置をしないと…しかし現地警察の救援はまだ来ない。ならばウチから人を出して…いや、ダメだ。この状態で小隊から人を引き抜く訳にはいかない
警戒がそれだけ緩くなるし、もしあの車両が爆発炎上したら…
そこまで考えて、小隊長は決心した

「自分が行きます、神野1曹、じ後の指揮を」「え?…あ、ちょっと待っ!」神野が止める間もなく、小隊長は橘士長の腕を取ってバンに向かって走り出した
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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