新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:18
体に降下のGを感じ、田浦2曹は目を覚ました
腕時計に目を落とすと、出発から3時間が経過している
出発した当初は軽い緊張感と高揚感があったが、豪華な機内食も映画の上映も無く(戦闘糧食だけはあった)窓もほとんどない輸送機ではさすがに退屈だ
(でもこんな状況で眠れるとはね…すごいなオレ)と少し苦笑し周りを見回した
人員輸送用に縦4列の座席が組まれた輸送機の内部は、その見た目よりはるかに狭い。おまけに座席は布張り、隣りの人と会話もできないほどの騒音
となると寝るしか無い訳で…というわけで、目に映る範囲の隊員はほとんどが首をカクカクさせて眠っている
肩から体の前に下げた89式小銃を股の間に挟み、透明な盾を床についてもたれかかって寝ている者もいる
(そろそろ到着かな?)と思った時だった。隣りにいた隊員が田浦の体を肘で小突いた
振り向くとその隊員が人差し指を立て、次いで指を全部広げた。事前に決めておいた『到着15分前』の手信号だ
同じように田浦も隣りの隊員に手信号を送った

機体はどんどん高度を下げている。斜め前にある小さな窓から見える空の色が変わってきた
天候は晴れのはずだが、空の色が微妙に濁っている
C国の首都B市は世界でも有数の『空気の汚い町』である。選手生命を気にしてオリンピック参加を見合わせた選手もいるという
(いよいよだな…)今さらながら少し緊張してきた。今まで何度も点検したが、改めて銃と装具の点検を行う
そして防弾チョッキの左胸と左手の方に縫い付けてある日の丸のワッペンを触った
(…助けを待つ人々がいるんだな。よし…やるぞ!)と密かに気合いを入れ直す

そうこうしてる間にも、高度はどんどん下がっていく、そしてドスン!という振動が響き、C-130は滑走路に着陸した
一段と甲高くなるエンジン音に混じって主翼のフラップの作動音が聞こえてくる。タイヤの擦れる音が響き一気に機体は減速した
前にかかるGが収まり、機体がゆっくりと滑走路上を走り始める
「総員、弾倉装着!」小隊長の合図で防弾チョッキに付けた弾のうから弾倉を取り出し小銃に装着、暴発を恐れ『弾込め』まではせず、そのまま弾倉の装着具合を確認した
「田浦2曹!」と大きな声で呼ばれ振り向いた、呼んだのは赤城3曹だ「今日は薬莢回収、しなくていいんですよね!」
思わず吹き出す田浦、その周りにいた隊員たちも笑った「やりたいならやってもいいぞ!」と返すと赤城も笑いながら首を振った
その様子を見ていた中隊長も口元を緩める。そして…「総員、展開準備!」と号令をかける

全員が立ち上がり、中隊本部(医官、外務省職員等を含む)と1小隊が前、2小隊が機体後部にそれぞれ体を向けた
機体の動きは徐々に遅くなっていき、窓の外には空港施設らしき一部2階建ての建物が見えた。そして機体が停止した
ロードマスターが機体横のドアを解放し、降りるための階段を広げた
「前へ!」中隊長が号令をかけ、真っ先に機体の外に飛び出した
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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