新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:16
夜になり各隊員も思い思いの時間を過ごしている。さすがに飲みにいく隊員はいないが…
テレビに映るだろうから(現地に残って撮影を続ける強気なテレビ局やフリーのカメラマンがいるらしい)と靴を磨き上げ、戦闘服にアイロンをかけ終わると、田浦2曹は隊舎の外に出た
部屋の外や隊舎の周りは携帯で話す隊員がゴロゴロいる「…あ、何、お土産?アホか!?遊びに行くんやないって…」とひときわ大きい声は井上3曹か
玄関口で話す井上と目が合い、軽く会釈して田浦は隊舎から少し離れた自販機コーナーに足を向けた
空自の基地は隊舎と隊舎の距離がやたら遠い。空爆されても大丈夫なように…とは誰が言ってたか
(赤城だったかな?アイツの兄ちゃん空自だもんな)などと歩きながらいろんな事を考える…と自販機コーナーに先客がいた
「赤城、と…中村3曹?あと衛生の…」「橘、橘士長です」とひときわ小さい子が頭を下げる
「WAC(空自だからWAFだ)隊舎ってすぐそこなんですよ」と赤城3曹が嬉しそうに言う「お久しぶりです、さすが2曹が早く来ましたね~」とこちらは通信小隊の中村3曹だ
中村3曹は通信としてではなく、女性用の身体検査要員として派遣されている。柔道2段の猛者でもある
「どうしたんですか?自販機コーナーならあっちにも…」「いや、向こうは隊舎の周りでみんな電話してるから…」話しかける赤城の顔が心なしか輝いている
その表情を見てピンと来た中村「橘、私らは帰りましょ」「え?もう…あ」中村のアイコンタクトで同じくピンと来た橘「それじゃ赤城3曹、お先で~ス」
「あ、お疲れ~」特に何も考えず二人を見送った田浦だが(あれ、赤城と二人きりか…)と気がついた
別にやましい気持ちがあるわけではないが、井上に言われた(赤城はお前に気があるらしい)という言葉が頭に浮かんだ
「あの、田浦2曹は家とかに電話はしないんですか?」と赤城に声をかけられ、はっと我に帰った
「いや、こっちに来る前に電話はしたんだ。まぁそれほど心配はされてなかったね…赤城は?」「父に電話しました。まぁ頑張れと言われて」「あぁ、あの赤城海将ね」
赤城海将が去年の夏にこっそりと中隊を訪れた事は赤城本人には内緒だ
「田浦2曹、彼女とかには電話しました?」「いや、してない…ていうかいないよそんなの」「へぇ…」と言う赤城の顔はなんだか嬉しそうだ
「あのさ、赤城…お前」(オレの事をどう思ってるんだ?)と続けようとしたが(いや、そんなの聞いちゃダメだな、少なくとも今はダメだ)と頭を振る
「赤城は…彼氏とかは?」「え、いませんいません!」とものすごい勢いで否定する。そして「あの…気になります?」と上目遣いで聞いてきた
「ん、まぁ…一応、元営内班長だからな」「…それだけですか?」「え…」見ると少し不機嫌そうな顔をしている
「いや、何でもないです。それじゃ、おやすみなさい」そう言って赤城は手にしたジュースのカンを捨てて走り去った

「あ、あぁ…おやすみ」立ち去る赤城の背中に一言残して、田浦も隊舎までの長い道のりを帰っていく
(う~ん、こりゃビンゴか?)井上に言われた一言は、どうやら当たらずも遠からずらしい(ま、帰ってから考えるか…)と気持ちを切り替え、田浦は隊舎に帰っていった
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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