新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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国民の御盾とならん:11
「すみませ~ん、今日はもう閉店で…あら、小野さん」へべれけになった隊員が仲間につれられて隊員クラブを後にする
そんな中、その巨体を現したのは3小隊の小野3曹だ
「どうしたんですか?今日は後輩さんたちと来られなかったんですね」と微笑みかけてくるのは隊員クラブの店員でもあり恋人でもある祥子さんだ
「いや、今日はちょっと…」と言いよどむ小野に「なんでぇ、デカいのがそんなところに立たれちゃ迷惑じゃ。さっさと入んな」と声をかけるのは隊員クラブの権藤店長
「最近なんか隊員さんも忙しそうですね。やっぱりよくニュースでやってる『あれ』ですか?1中隊の人は盆休みがあけてから誰も来られなくて…」
「うん、まぁ…それでね…」「?」何やら言いにくそうな小野に彼女が首を傾げる
「明日から派遣任務でどっかに行くんじゃろ?で、挨拶に来たんじゃねぇのか?」見てられんとばかりに店長が声をかける
「あら…そうなんですか?」驚いたように彼女が口に手を当てる「大変ですね…気をつけてくださいね」
「うん、すぐに帰ってくるよ…で…その…」何やら口ごもる小野にイラっときた店長
「用事が済んだなら帰った帰った。祥子さん、座敷の片付け頼むわ」「あ、はい」パタパタと去っていく彼女
「あ…」「まったく…言いたい事はハッキリ言いねぃ」店長が怒ったように言う
「だいたい『コレが最後』とか思ってきたんじゃあるめぇな?そんなんで来られたら女の方が迷惑するわい。言いたい事があるんなら、戻ってきてから言うんだな。ほれ、もう帰った帰った」
「あ、いや、ちょ…」そう言って小野は店の外に追いやられた

(別にコレが最後と思ったわけじゃないんだけどな…)しかし一目、恋人の姿を見たいと思ったのもまた事実(少し弱気になってんのかな?)
隊員クラブから営内までの道のりを歩く。涼しい風が何かと心地よい
(言いたい事…か)実は今、プロポーズをしようかどうか迷っている。今回の派遣任務がいい機会…とも思ったが、まだ踏ん切りが付かないのも事実だ
迷いが吹っ切れていない状態で「いい機会」だからとプロポーズをしようなんてのは相手にも失礼じゃないか…とも思う
(どうすっかな…)夜空を見上げ、小野は一人つぶやいた

翌朝、荷物を積み終わり送迎用の3t半に乗り込んだ中隊一同
「…ていうか、何で見送りが?」赤城3曹が焦るのも無理はない、正門までの道路両側に連隊一同が勢揃いしている
「まぁ…災害派遣でも見送りはするからな」と冷静な田浦2曹、そう言いつつ赤城の横顔を少し伺う
昨日の夕方、井上3曹に言われた事が頭をよぎる(赤城が俺に気があるって?そうは見えんけどな…)「どうしたんですか?」その視線に気づいた赤城が少し微笑む
「ん?いや…なんでもないよ」顔をそらして外を眺める田浦であった

空自の基地に到着、荷物を降ろす
「おう、田浦に井上。同期で行くのはお前らだけか」声をかけてきたのはドライバーで来ている他中隊の同期だ
「つか俺らの同期ってほとんど残ってないからな」「もう連隊でも5~6人やったかな?」「だよなぁ。もともと数が少なかったけどね」
同期が二人の肩を叩いた「ま、頑張ってくれよ。帰ったら武勇伝聞かせてくれ」「武勇伝を語るような状況には陥りたくないな」そう言って笑う3人
「じゃあな、また同期で飲もうぜ」そう言って同期は帰っていった
「帰ったら…か。アレはアレで励ましてくれてんのかな?」「そんな難しい事を考えてるようには思えんけどな」
そんな会話をしつつ、中隊はエプロンで待機している空自のC-1輸送機に乗り込んだ
「この飛行機には訓練で乗ったけど…C国にもこの機体で行くんですか?」赤城が田浦に聞いた「いや、この機体じゃ航続距離が足りないからね。使うとすればC-130の方だろうね」
そんな会話をしつつ(エンジンがかかったら会話不可能だが)C-1は九州は福岡県、空自T基地に向かい飛び立った
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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