新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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残る桜も散る桜:その1
「…日常業務はこんなところですね。次は演習の時に何をするかですけど…」訓練陸曹の田浦3曹が仕事内容を申し送っている
3月を迎えた中隊本部も、人の動きが慌ただしくなってきた
春は出会いと分かれの季節、そして年度が終わりいろいろなモノが変わる時でもある
異動内示が出た数名の幹部、陸曹と任期満了退職を迎える陸士が官品の返納準備や仕事の申し送りなどに追われている
「いや~やっと下番ですよ!長かったなぁ…」と嬉しそうな田浦3曹
「ご苦労さん。じゃあ次は車両をやってもらおうか」「いやいや、次は火器だよな?」と中隊本部のあちこちから声が上がる
「いやいや、もうしばらく中隊本部は勘弁してください…この2年でだいぶ老け込んだような気がしますよ…」そう言って田浦3曹は肩をポンポンと叩いた
「つか、小隊帰っても居場所あんのか?だいぶ迫の事も忘れてんじゃね?」「そうなんですよね~この前久しぶりに迫撃砲を触ったんですけど、若い陸士よりも操砲がヘタクソになってました…」
田浦3曹は迫撃砲小隊の出身であり、迫撃砲の操作にはそれなりの技術が要求される(小銃や対戦車小隊に技術がいらないってわけでは無いですが…)
長いこと小隊から離れていた田浦3曹、技術を取り戻すにはしばらくかかりそうだ
「でも田浦はFOじゃなかったっけ?」FO(前進観測班)は迫撃砲の弾を誘導する要員で、普通は同じ中隊の小銃小隊に付いて行動する。そのため、小銃小隊に付いていく体力と地形を見る能力が必要となる
基本的に迫小隊のFOはそこそこベテランになった3曹やレンジャー持ちの隊員が多い
「FOなんですが、そのためにはまず体力を戻さないと…いい加減この腹を凹ませないといけないです」そう言う田浦3曹の腹に背後から手が回された
「…おい、田浦。なんだこの腹は?ぶよぶよじゃね~か」迷彩服の上から腹の贅肉を掴むのは迫小隊の小隊陸曹、近藤曹長である
「いや~2年間の成果っす」と苦笑いする田浦3曹「おいおい…頼むぞ田浦、ただでさえウチの小隊は体力不足が指摘されてんだから」とあきれたように言う近藤曹長
「とりあえず今月から駆け足をやってきます。夏までに5キロ減らしたいっすね」「代休所得期間でまた一気に太ったりしてな」「それは笑えないっすよ…」
3月は異動や任満退職する隊員の代休と年次休暇の消化期間に入る。それにあわせて中隊の方も可能な限り溜まっている代休を消化する代休消化期間に設定している
「ってそれができりゃ苦労しねぇっての」と愚痴るのは訓練Aの中島1曹「まぁそれでも代休を取れずに消されていくよりはマシだぜ」と人事の倉田曹長が言う
「中隊で一番代休を持ってるのは誰ですかね?」と田浦3曹「やっぱり中隊長か先任か運幹か…かね?」と中島1曹
「中隊長の代休は金に換えられるからまぁいいとして…中隊長の代休は25日くらいあるらしいわ。お金に換えて中隊に残していってくれるんだって」
「お~そりゃ太っ腹だ。お子さんとかもお金かかるでしょうに…」「ま、あの人はパチンコしないし煙草も吸わないからな。それなりに貯めてんだろ」
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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