新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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初一本:その13
「あぁ、疲れた…」体育館の外、芝生の上にシートを引いて銃剣道の防具が並べてある
そんな中一人、空を見るのは佐々木3尉だ
重迫との決戦が終わり、皆にもみくちゃにされながらも何とか外に出てきて防具を外した
銃剣道の試合はすべて終わり、昼を挟んで徒手格闘の試合が始まっている
他の隊員たちは試合を見に行ってるが、精根尽き果てた佐々木3尉は一人残っているのである
「けっきょく優勝はできなかったか…」試合成績は重迫と同じだが、試合の中での一本勝ちの数で重迫の勝ちが決まったのだ
それでも2位というのは悪い成績じゃない、最後の最後でいい試合もできた、満足感に浸る佐々木3尉の視線に一つの影が入ってきた
「よ、邪魔するよ」「あ、片平准尉…」誰あろう、死闘を繰り広げた重迫の片平准尉がそこに立っていた

「お見事でしたな、佐々木3尉。いや~まさか初一本に負けるとは思わなかったよ」煙草の煙を吐き出しながらカッカと笑う
「いや、オレも勝てるとは思わなくて…」と頭を掻く「マグレですよ、絶対」
それを聞いた片平准尉はフッと笑い、佐々木3尉の側に腰掛けた
「いやいや、気迫で負けたよ。オレの自衛隊人生最後の試合がこういう終わり方とはね」「それは…スミマセン」申し訳なくなり、少し頭を下げる
「ハハッ、謝らなくてもいいさ」と言って笑う准尉「勝負の世界は厳しい、オレはこういう世界で30年以上生きてきたんだから」
ふぅ、と煙草の煙を吐き出す。白い煙が青空に吸い込まれるように消えていった
「オレはね、昔はいろいろやらかしちゃってね…『鑑別所行くか自衛隊に入るか』って刑事さんに言われて入隊したんだ」
「か…鑑別所?」
「昔はそんなヤツばっかりだったさ。そんなオレが自衛隊で銃剣道と出会って、日本一なんてのにもなれたんだからなぁ…世の中、何があるかわからんよ」
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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