新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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自衛隊法第83条:その16
「そんな要望…断っちゃえば?」「と言っても知事からの要請でして…」
額を寄せ集めてう~ん、とうなる特科大隊長と幕僚たち。困り顔なのは旅団司令部の幹部だ
N県の中部にあるK市
ここは震源に比較的近い位置であるにもかかわらず、地盤のおかげか地震の被害がほとんど発生しなかった
地震発生直後に国土交通省と消防庁で現地調査を行ったが「特に異常なし」の結果を受けて避難勧告も道路封鎖も実施されなかった
自衛隊側も被害のない地域に部隊を差し出す必要はなく、K市には一つの部隊も入っていない

「…それが問題になったんですよね。我々に責任があるわけではないのですが」旅団の幹部が渋い顔をする
K市の市長は「自衛隊は憲法違反なので解散すべし」との主張を繰り広げていた政党の出身者であり、現在も野党第一党の政党に所属している
その出自から、K市では「自衛隊嫌いの市長が、災害派遣要請を出さなかったのではないか?」という噂が流れているというのだ

「そこで、姿を見せるだけでいいから自衛隊の人に来てほしい、という話なんです」
「なんだよそれ、政治の道具扱いじゃねぇか。なんでウチにそんな話をもってくるんだ」とこちらは少しご立腹な特科大隊長
「こちらの師団が受け持っている隊区が一番K市に近いので…市長が県知事に泣きついて、そこから旅団長に直接この話が来たのです」釈然としないのはこちらも同じ、といった顔をする旅団の幹部
しかし命令ならば従わざるを得ないのが宮仕えの辛いところ
「…命令じゃ、仕方ないか」渋々といった感じで呟く大隊長、そして前田1尉を呼びつけた

「了解です。K市の被害状況の確認ですね?あとは市長との面会…」忸怩たる想いの幕僚たちとは違い、前田1尉は何も気にせず話を聞いている
政治的な話には首を突っ込まず、命令とあらば淡々とそれに従う…ある意味彼の姿勢は正しいとも言える
「すまんな、こんな仕事を頼んでしまって…」と申し訳なさそうな特科大隊長だが「いや、別に問題ありませんよ」とドライな前田1尉であった
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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