新軍事ドラマ:「中隊本部」
どこにでもある(?)陸上自衛隊普通科中隊の日常を描く
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自衛隊法第83条:その11
「おぉ!スゲーなこりゃ」高機動車から降り立った田浦3曹は開口一番そう言った
N県中心部から少し外れた場所にある競技場『ビッグバードスタジアム』の駐車場は、OD色の自衛隊車両に埋め尽くされていた
地震発生から1週間たち、被災者の避難もほぼ完了。現在は復興作業に取りかかる段階になっている
10万人単位いる被災者の食事、給水、入浴、生活全般を支援するため、九州を除く全国各部隊からさまざまな部隊から炊事車や給水車、施設部隊からは重機などが派遣されている
ここ『ビッグバードスタジアム』は炊事支援の拠点であり、被災地各地への食事のほぼ全てをここで作っているのだ
部隊は各師団ごとに分けられ、師団の指揮所に隷下部隊が配属されて支援態勢を取っている。全ての師団を統括するのは1X旅団だ

「田浦~何しに来たんや?」声をかけてきたのは炊事要員として先に派遣された井上3曹だ
「お疲れ~今日から師団のCP勤務でね…まぁ1週間くらいだけど。そっちはあとどれくらい?」「炊事班はなかなか交代要員がおらんから…オレもあと1週間くらいかな?」
そう言って振り返る井上3曹、その視線の先には遠く北海道から来た師団の炊事所があった
「まぁ1ヶ月単位で派遣されてるあそこの師団の連中よりはマシやろうけどな」
確かに周りを見渡すと、車両に書かれている部隊の番号が馴染みのないものばかりだ
「○連隊ってどこだっけ?」「さぁ…北海道の奥地らしいけどな。フェリーで来とるから、なかなか帰れんわなぁ」

「ところで、あの人員は何や?」井上3曹が指さす方を見ると、百人程度の隊員がぞろぞろと集まっている
隊員はベテラン陸曹もいるが多くは陸士、服装は中帽に迷彩服、特に重装備でもない
「あぁ、アレ?天幕張り要員。ほら、問題になってるだろ?」「てんまく?」「テレビとか無いのか?…無いだろうな」
地震発生後、学校の体育館などに設置された避難所に多くの住民が避難してきている。しかし、農家や畜産業など一部の住民が「自分の土地から離れたくない」との理由で残っている
土砂崩れなどで家に住めなくなった住人たちが自分達の車で寝泊まりを始めているのだが…
「夜はそこそこ冷えるだろ?それに不自然な態勢で寝るから『エコノミークラス症候群』になるんだと。長いこと同じ姿勢でいると足に血栓ができて心臓停止に至るって…恐ろしい話だよな」
「それで、天幕張って避難所を増やそうっていう話なんか?」
「補給処から新品の6人用も持ってきてるってさ。あと、すのことか毛布とか…ウチの部隊からも何人か来てるよ」
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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